Dream。~君と私の応援歌~


ピッチャーマウンドに立つと、俺は大きく深呼吸した。


こうでもしてないと、俺の精神が持ちそうにねえ。


観客席に目を向けると、オペラグラスで雫がこっちを見ていた。


ごめん。俺、お前に苦しみしか与えることができねえ。


『4番バッター……綾野くん』


アナウンスでハッと我に返る。

バッターボックスには、既にやる気満々のあいつがいた。


……大丈夫だ。落ち着け。

絶対、打たせるわけにはいかねえ。

三振で終わらせるんだ。


そうすれば、竜を納得させることができるはず。




『あいつは三振で倒れたんだから、それでいいだろ?』って。



< 190 / 326 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop