Dream。~君と私の応援歌~


「……湊くん?」


雫の声にはっとして現実に引き戻される。


「あ……落ち着いたか?」


「うん。ありがと。もう大丈夫」


雫が涙を拭い、笑顔になる。


よかった。


心の底からホッとした。


「……待ってろ。帰りの支度するから」


俺は帰りの支度をするためにロッカーに向かった。


そこで、目に入った兄貴のロッカー。


きっと、透先輩や夏樹先輩、広場先輩も忘れたくないんだ。


兄貴がここにいた、証を――。









< 96 / 326 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop