【短編】甘い香り-修学旅行-
AM:6:00 関西空港

「ふぁ~あ」

「うっわ、でけぇあくび」

手で隠さず、公開したあたしの大きなあくびを見て、亮太は、すかさず突っ込む。

「…うるさい」

ぷうっ…と口を膨らませながら亮太を見る。亮太は、あたしの膨らませたほっぺを、両手で挟む。あたしの口からは、「ぷうっ」と声が漏れた。

亮太は、笑いながら「可愛いのぉ」と言った。

あたしは、胸キュンした。

あ~幸せ。

亮太…好きやぁ――。亮太ぁ。

歯痒くて、ゆるぎない気持ちが、あたしの心を走る。

「大好きやで」

そっと亮太に呟く。

亮太は、何やねん急に…って言いながらも、耳まで真っ赤にしていた。

大好き。

大好き。

大好き。

言葉に表せれない。

一気に気持ちを出せない。

世界一大好き。
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