ラブモーション
01/He has a likable personality.


今日も憂鬱な朝が巡りやってくる。

こうやって制服のブラウスに袖を通すのを嫌だなと思うのも、何回目になっただろう。

鞄を握り締めて家を飛び出す。


「行ってきます」の一言もない私に、慌ててお母さんが後ろから「いってらっしゃい」と言っている声が聞こえる。


その言葉、言ってほしくなんかないのに・・・。


だけど、お母さんは気づいていない。

きっと、いや絶対に気づいていない。


こんなふうに、学校へと向かうために乗るための駅に向かう道のりも


揺らされながら景色が巡り変わることも、私にとっては憂鬱なのに。


こんな当たり前な毎日が、滅入るくらいに何度も訪れる。


こんな当たり前な毎日が、来ないでほしいと願い始めたのはいつからか。


高校三年の貴重な時間。

最後の高校生活の一年間が、もしかしたら最悪な年になるかもしれないんだ。



去年はこんなこと、なかったのに・・・。



私に何か問題でもあったのかな。

< 1 / 24 >

この作品をシェア

pagetop