続・生意気毒舌年下男子






早乙女くんで思い当たる女子と言えば、綿貫沙羅だ。

綿貫沙羅と早乙女くんは、一時期同居していたみたいだし。

付き合っていたかどうかは、不明みたいだけど。



あたしは以前、綿貫沙羅に面会に行ったことがある。




『同居していた彼氏がいたみたいだけど』

『彼氏ィ?
アタシ、彼氏なんていないわよ。
いたのは、親から愛されない孤独な少年。
アタシは彼が好きだったけど、彼は愛されたことがないから愛せないって断っていたのよねぇ』





綿貫沙羅の言葉を信じるわけではないけれど。

きっと、付き合っていない。

じゃあ、何で早乙女くんは彼女持ちなんて嘘をついたの?



幸来には女除けじゃない?と言っておいたけど。

本当に女除けなのだろうか?




もしかして。

自分の犯した罪を受け止めてくれる子がいないとでも思っているのかしら?

万引きだけなら「そう…」ぐらいで許されたかもしれないけど。

スーパーの店長…私のパパを自殺に追い込んだ犯人だ。

そう簡単に、人は受け止めてくれないだろう。




幸来なら。

幸来ならきっと、受け止めてあげられると思うわ。

だけど、復讐はどうするの?



本当に私、復讐したいと思っているの?






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