男っぽい女の子の恋愛事情。


「おっじゃまっしまーす!」



威勢良くまなちゃんの家のドアを開ける



「入ってー」


奥の方からまなちゃんの声が聞こえ、私はリビングへ向かう




何回も来ているからどこに何があるかは全て把握している



「…げ…」


「あぁ?って、なんでお前がいんだよ!?」



リビングに入ったらソファに座り制服姿のままテレビを見る優がいた


「優、これからお茶するんだけど、優も食べる?」


キッチンから紅茶を淹れながら言うまなちゃん


「いらね」



「あらそう
せっかく優の大好きな『恋の香り』を頂いてきたのに…
じゃ、凛ちゃん、優の分まで食べちゃいましょ!」




「うん!」


「お、おい!やっぱ食う!」


恋の香りと聞き慌ててソファから立ち上がる優


ふっ、子供みたい


って、優も恋の香り好きだったの!?



同じのが好物とか…


なんかやだな



「ふふ、分かってるわよ
じゃ凛ちゃん、食器出すの手伝ってくれる?
優はフォークだして」


「はーい」

「ういー」



カチャカチャと音を立てながら食器を並べる


ん〜、紅茶のいい香り!



私はカップに注いだ紅茶を四人分並べる


そしてお皿に恋の香りを並べる


「きゃー、美味しそ〜!」


「おい、その上にヨダレ垂らすなよ」



「たらさねぇわ!」



キッとフォークを並べている優を睨む

ほんっと失礼な奴なんだから



「まなちゃん、準備できた!」



「そう、ありがとうね。

あなたー!お茶しましょー!」


そう階段に向かって飛我くんを呼ぶまなちゃん



するとトントンと階段を降りてくる音が聞こえた


「さ、座って座って!」




私はいつも座っているところに座る



ここ、テレビ近いし好きなんだよね


「……なんで隣にすわんだよ」


「はぁ?俺はいっつもここなんだよ!」


躊躇なく私の隣に座る優


「こらこら、喧嘩しないの

じゃ、いただきます!」


いつのまにか飛我くんも座っていて、四人で「いただきます!」と言って食べ始める




「ん〜、おいひ〜!」


久しぶりに食べる恋の香りは頬が落ちてしまいそうなくらい美味しかった



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