遊園地は眠らない
言葉にしたかったけれど、うまく言う自信がない。


また黙って、自分の赤い服を見つめた。


「きもだめしの夜、なにかあったんじゃないの?」

「・・・」

「あなたが話してくれたのは、昨晩の出来事と、その前のきもだめしの話。きもだめしが、昨晩の出来事につながっているんじゃないかしら? その時になにかあったんじゃないの?」

きもだめし、という単語に胸が痛くなった。

「あの夜・・・」

目を閉じると、あのお化け屋敷での出来事が思い出される。

それは、悲しい記憶。


できれば話したくないけど・・・。
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