王子様と堕姫様

堕ちた姫



「おはようございます、旦那様、シオン様。」


朝の挨拶を終え、
朝食の準備を手伝いに厨房へ向かう。


私、リナリア・アネモーネは
ここクローバー家の専属使用人をしている。


属にいう”メイド”というやつだ。



私は数年前までは異国の地でオヒメサマをやっていた。



伝染病が流行りそれがきっかけで、
国は滅びたという。


私自身はすぐにこの地に飛ばされ
しばらくは屋敷の近くにある、
古くからの父の友人にお世話になっていた。



どうして今ここで使用人をしているかというと、
答えはひとつ、ここの主の息子、
つまり王子様である”シオン様”を殺すためだ。
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