私だけの魔法の手。


「ね、起きて?…これ、終電だからね…」
「ん……」

ノロノロと立ち上がる男の子を支えるようにすれば、随分と背が高い事に気づいてまたドキッとしてしまう。
電車の扉が開いたから押し込むようにして、気を付けてね?って言った瞬間に、行くな、って突如腕を引かれた。





「あぁー!」

私の叫びも虚しく逆の電車の中に引っ張り込まれて、更に都心へと向かうガラガラの車内で、寝惚け眼の男の子にガッツリと手を繋がれたまま、トンネル内で反対側の終電と擦れ違うのを絶望的な気持ちで見送るのだった。



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