本命チョコレート【BL】
 
 温めた包丁でチョコを切り分けて、ココアパウダーを振りかける。

 その間、幼馴染──祥太(ショウタ)は俺の隣にやって来て、面白くも何ともないこの地味な作業を見ていた。

 見付けておいたお菓子のプラカップに生チョコを盛り付けて、姉貴が用意していたシールを貼り付ける。

 ラッピングまで終わらせて、達成感にひと息吐いた時だ。


「ソレ、余り?」


 クッキングシートの上に残るチョコを指差して、祥太が尋ねて来る。


「食べる?」


 そういえば、うっかり味見もしないで仕上げてしまった。

 せめて祥太に食べさせる前に、自分で味見しないと。

 そう思ってチョコをひとつ摘み上げると、不意に伸びて来た祥太の手が俺のを掴んで止めた。


「なに……っ!?」


 ぐい、と腕を引かれたかと思うと、祥太は俺の指ごとチョコを食べていた。

 思いもよらない出来事に、思考も身体も止まる。


「これなら食えそうだけど、やっぱ甘いな」


 俺の指先についていたチョコまでペロリと舐めて、祥太はニヤと笑う。


「な、何やって……」


 いくら幼馴染だからって、普通、男が男の指を舐めたりしないだろ!?
 

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