罰ゲームでヤンキー君に告白されました。


俺が罰ゲームだと言っても、ひなはちっとも怒らなかった。


あんなにひどいことをしたのに、ひなは俺のことを好きだと言った。



きっとひなは、俺よりずっと痛かっただろう。
苦しかっただろう。


だからあの時、すごく驚いた。
こんなにきれいな人間がいるんだって、知らなかったから。



はらはらと舞い落ちる雪の中で、ひなは。

真っ赤な目をして、それでも一生懸命笑っていた。


あの時のことを思い出すと、いつも自分を殴ってやりたくなる。
後悔したって、どうしようもないのに。



俺はそれから何度も、ひなのことばかり考えてしまう。


どうしたら傷つけずにすんだんだろうとか。

どうしたら、泣かせずにすんだんだろうとか。


考えれば考えるほど、自分の情けなさが嫌になる。



いくら考えても、正しい答えは見つけられなかった。

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