罰ゲームでヤンキー君に告白されました。


星乃先輩は少しずつ詳しいことを話してくれた。


「龍也のやつさ、うちのグループでちょっと今気まずくなってんの。
それで色々もめて、罰ゲームで進藤さんと付き合うことになったんだ」


「まずいことって……」


星乃先輩はいいにくそうに自分の髪の毛を指に巻きつける。


「元々あたし、哲真(テツマ)っていう彼氏がいて付き合ってたんだけど。
いつからか、すっごい束縛されるようになってさ。
彼氏の自分勝手なとことか、けっこううんざりしてて別れたくて。
だけど何回話しても諦めてくれなくて、別れるならただじゃすまさないとか脅されるようになって」

「そんな……」


「それを龍也に相談してるうちに、龍也はずっとあたしのことを好きだとか言い出して。
そのまま中途半端な状態で、たまに龍也に会ってたりしたら、やっぱり哲真も気づいたみたいで」



そうか。
龍也君は、ずっと星乃先輩が好きだったんだ。


もう別れたって言ってたけど。
それは哲真さんがいたからそうせざるをえなくて、だから。

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