罰ゲームでヤンキー君に告白されました。
その笑顔を見ていると、とても嘘が隠れているなんて思えなかった。
どっちが本当か、わからない。
私には、龍也君が心から喜んでくれているように見える。
それともやっぱりただの振りで、すぐに捨てられちゃうのかな?
私が単純だから、簡単に騙されているだけなんだろうか。
しばらく黙ったあと、彼が私の手を握った。
その冷たさに、思わずぴくりと肩が震える。
「……俺さ」
「うん」
「ひなに言わないといけないことがあって」
心が冷たくなっていく。
……言わないで。
言わなくたって、いいの。
最後まで、騙してくれるのならそれでもいいの。
嘘でも罰ゲームでも、龍也君が笑ってくれるなら私は。
だから、言わないで。
何度もそう願ったけれど、その願いが叶うことはない。
「俺、ひなに」
「……知ってたよ」
彼の口から全部嘘だと言われるのが苦しくて。
そう答えると、彼は驚いて目を見開いた。
「ごめんね、龍也君がお友達と話してるの、聞いちゃったんだ」
「……まさか」