もしも私がーcasket in cremtion。

――同時刻の幟呉達。

「なぁ」

「何?永璃。」

「最近さぁ」

「うん。」

「さっさと言え!」

「……見張られてね?」

「あっ!永璃も思った?僕も!」

 叫び気味に言いながら、靭は永璃を指で指した。

「そろそろ通達でもある頃だろうからな。」

 冷静に幟呉が言って、靭の方向に手を伸ばす。

「だね。」

 一言呟くと同時に、靭の手にあった一枚のカードが抜かれた。

「あっ!やった!僕一抜けた!幟呉それババでしょ」

「うるさい!永璃早く引け。」

「ほいほい。」

 促されて半ば生返事を返し、永璃は幟呉が持っていた二枚のカードから、迷うことなく一枚引いた。

「俺もあがり~!」

 永璃は歓声を上げた。といっても、さほど嬉しくないというのが滲み出ている。
 三人はトランプをしていたようだ。例によってまたババ抜き。

「ってか、本当にそろそろ別のやろうぜ。麻雀とか」

「三人じゃ出来ないじゃん!」

 靭が突っ込みを入れるのと同時に、玄関からノック音が響いた。

  ******

(ラッキー!ケーキ貰っちゃったよ!皆で食べよう!)

カン、カン、カン――。  
アパートの階段を上っていると、靭の声がした。

「ディーガス、珍しいね。何?僕らにお土産でも持って来てくれたの?」

「否!我らが主覺(しゅかく)に忠誠を誓った者達へ、我らが主覺のお言葉を承って来た。」
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