10年の片想い
最終章

一途な気持ち、乱馬の正体









☆凛side☆





「おはよう、凛」

「おはよう……」




朝、あたしは美愛と待ち合わせして毎日学校へ行っている。

いつもはお喋りして歩くんだけど、今日は違う。




だって今日は、

理事長があたしたちの退学を決定する日。




乱馬のお金の行方を調べること。

そう言われて、あたしたちは生徒会として乱馬に会った。

だけど、行方を調べることは出来なくて。

あたしたちは退学を免れないのだ。





「お父さんとお母さん、哀しむだろうなぁ」




美愛が独り言のように呟いた。




哀しむだろうな。

お父さんとお母さんに迷惑かけたくなくて、学費の安い高校に進学したのに。

卒業もしないまま退学なんて。

もしお父さんとお母さんが抗議しても、無駄だろうなぁ。







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