10年の片想い
「あと、驚いた共通点があったんだ」
『何何?』
「乱馬は全員ね、今の家は本当の家じゃない。
あたしたちと同じ、養子なんだって」
『そうだったの?
じゃあトウヤは養子になったから、九条院財閥の御曹司になったの?
キラも養子になったから、校長先生の孫になったの?』
「そうだと思う。
詳しいことは聞いていないけど。
ただカオリは、名字一緒なんだって」
『…どういうこと?
カオリは養子なのに、名字が同じなの?』
そうだ。
トウヤの額が気になって詳しく聞くのを忘れていたけど。
どういうことだろうか?
姫神宮なんて、聞いたことのない、珍しい名字だ。
そんなキラキラ名字があるのかって思ったほど。
『ねぇ、凛。
私たち、知らないことばかりだね。
乱馬について……』
「そうだね。
結局、お金の行方も聞けなかったし」
『てか、乱馬の人たちに会って、ますます使い道がわからなくなったよ。
何で多くの寄付金を積めるほどの家柄の人が集まるのに、学校のお金を使う必要があるの?
お金なんて、余るほどあるだろうに』
確かにそうだ。
謎は、深まるばかりだ……。
『凜。
私たちって、乱馬にこれ以上深く関わって良いのかな?
何だか、いけない部分まで踏み込んじゃいそうで、怖い気がする』
美愛の予感はかなり当たる。
特に、悪い予感が。
“あの事件”が起こった時も、そう。
美愛は事件の起こる1時間前ほどに、突然泣きだしたんだ。
そして、“あの子”が怪我する大事件となった。
それ以来、あたしは美愛の予感を信じるようにしている。