嘘つきな僕ら


西山さん…

守は君のことが好きなんだよ。

君のことが好きで、それで俺を使ってまでも君を振り向かせたいと思ってる…バカがつくくらい、本当に君のことを想ってる奴なんだよ。


もし、俺が西山さんにそう言ったら。

彼女はなんて答えてくれるんだろう。



【西山さんのこと、すっげー想っててくれる奴、傍にいるんだよ】


こんなメールを入れて、俺は何を期待してるんだろう…

なんて言って欲しくて、こんなメールを送ったんだろう…


もう一度“私は中原くんが好き”とでも言って欲しかったのか…



けど。

もう終わり。

もう西山さんからの返信は届かない。



だって、もう彼女は言ってくれたから。

それで、別の男の名前出して、その後に想ってくれてる奴がいるとか…


きっと守のことなんてバレバレで。


そんで、きっと彼女は守を意識する。



だって、俺は、俺がそうだったから。


俺を好きだと言った君は、もう俺の中で意識している女の子に変わってしまった。




そんで、だから…

俺は守と彼女が上手くいく、その姿を見せ付けられる。

何事もなかったように、この意識は薄れていく…





なぁ、守…


でも、これでいいんだよな?


お前との約束は果たせるし、俺はお前の協力者、だもんな。




~♪~♪~♪~

もう表示されている名前を見なくても分かる。

俺はそっと受信ボックスを開く。

もうその名前はいくつもいくつもあって、俺はきたばかりのメールを開いた。



西山【中原くんは?】



最後のメールだと思った、でも君は疑問形で返信してきた。



俺は…


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