クリスマスに泣かないように



「…は、はは……」



呆然と彼は笑った。


いつもと違うのは、それが悲しそうに笑ってること。


無理矢理というような笑い方に、ずきりと胸が痛んだ。



ああもう、血が止まらない。



「…やっぱり、かあ……」



『話がある』



私からこう連絡が来たら、まず別れ話を想像するだろう。


私たちに未来はないのだから。


「はあ…」


ため息をつく。


「……やっぱりリエちゃんは大人だよねぇ…」


「…同い年でしょ?」


「まあ…そうだけどさあ…セイシンネンレイが」


「はははっ…」


何、笑ってんだ。

別れ話したのに。


流されたみたいに、笑いあって。




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