【完】翼龍 ヨクリュウ ~あたしとクールで腹黒な総長と~

直は、すぐに上がってきたが幸がこねぇ


ないにしてんだ?

あいつ。





直が呼びに行く


******





ドラゴンのトップ


悠貴。




久しぶりに聞いた名だ。



どんな男になったんだろうな。


会ってみてぇ気もするな。




物思いにふけっていると

二人が戻って来たようだ





「何のようだ?涼」


幸の声と眼が真面目なものにかわっている



「ドラゴンが接触してきた。

もちろん、下っ端だったが

これから仕掛けて来ることも考えられる」



「ああ。わかった。

身辺には気をつける

この話、メンバーには?」


直の疑問ももっともだ。


「いわねぇ。

血気盛んな奴らだと先に手を出しかねぇ」




「美紀には?」


直が隠し通すのは難しいだろうな。

信頼できるし、いいか。


「いってもいい。」





「なぁ、さなちゃんには言うの?

ってか、どうすんの?」



幸の発言にグッとつまった。


なんであいつが出てくんだ?



「いわねぇ。

つーか、言う必要ねぇだろ。」



「ふーん。」


意味深に笑う幸。

意味わかんねぇ





「なんだよ。」


声を低めにしていう。





「自覚ないのかもだけど、端から見たらさなちゃんは総長のお気に入りだからドラゴンに狙われるよ?」






「は?」





幸の明るくも真面目な物言いについマヌケな声が出た




「もし、さなちゃんに伏せるんなら

俺らとは極力関わんねぇほうがいいだろ?


それに、いままでの女達と違うともいい切れねぇしな」




幸の何気ない言葉


“いままでの女達と同じ“


その可能性を考えていなかったことに唖然としてしまう。




なにやってんだ俺?





「もう、いいか。

俺は下りるわ

二人は?」


直が戻ろうとするが留めることもないので「俺も下りる」とだけかえす。





三人とも下りることになりドアを開ける




ガチャ、キーーーーーー






キャッと美紀が倒れてくる。








倒れた美紀を支える。





なんで、いんだ?

話は聞こえてないはずだが。


・・・美紀の呼吸が浅く熱い


見ると顔が赤く酔っているようだ。


なんで、酔わせてんだよ。

友達何ならちゃんとみとけよ





八つ当たりかもしれないが怒りに襲われる。





幸のさなが


“いままでの女達と同じ“


っと、言っていたことが少なからず心に傷を残しているのだろう


語尾がきつくきつくなる。




「ったく。なにしてんだ?


って、おい。美紀になんかアルコール摂らせたのか?



なにしてんだ!」






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