大嫌いなアイツの彼女になりました。







「……今日は、本当にごめんね。あと、双葉のことも色々してくれて、ありがとう」


 あたしの家に着くなり、望月相馬が苦笑いしながらそう言った。

 きっと、双葉ちゃんのことを引け目に感じているのだろう。



「ううんっ、楽しかった!また行ってもいいかな?」


「おう。あ、今度は双葉のいない日にしよーな」


「えっ!?」


 突然、満面の笑みと共に降りかかってきた言葉に、あたしは驚きを隠せなかった。


 双葉ちゃんのいない日って……つまり、二人きりってこと!?



「ははっ、嘘だよ。じゃあね、純香ちゃん」


 慌てるあたしの反応を楽しむかのように望月相馬は笑うと、踵を返し、あたしに手を振りながら歩き出す。




「……な、なんだ。ビックリしたぁ」


 望月相馬のせいでドクドク鳴っている胸を静まらせるように手を当てていると、

「あ、そうだ」


 望月相馬はふいに何かを思い出したように立ち止まると、あたしに近づいて来る。



「どうしたの?」

 不思議になって首を傾げると、望月相馬はあたしの手首をぎゅっと掴んで、


「わっ」

 あたしを抱きしめた。






「え、え……ちょ、どうしたの?」


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