え、高嶺の花が僕の彼女⁉︎
ヴゥーヴゥー




突然、場違いな音が響いた。



さっき、LINEをした後、機内モードにするのを忘れていたスマホが着信を告げていた。



春華が起きてしまわなかったか心配になって見たけど、ぐっすりだ。



よっぽど疲れてるのかな?
課題終わってなくて寝不足?


いや、春華に限ってそれはないか。



僕はそんなことを考えながら液晶を見ると、中島からだった。



中島から電話が掛かってくるのは初めてだ。

多分、状況的にバンドのことだろう。



僕はそっと、春華のいる教室を出て、すぐある階段を駆け上がりながら、通話のボタンを押した。




最上階は吹部の人がたまに通るくらいで先生は滅多に通らない。



それに、今日は合奏ではないらしく、2階の教室までノイズが聞こえていた。



人が話しても気にならないはずだ。


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