天使な君は儚すぎる夢を僕にくれた
夢を見ていた。


それは、とても綺麗な花畑で遠くに大きな門があった。


僕は花畑の真ん中に、座り込んでいた。とても夢とは思えなかった。


でも、これは夢なのだ。その証拠に僕の腕の中にはしえるがいたのだから。


「久しぶりだね。海君」


「お前こそ、どこ行ってたんだよ」


「もう私の役目は、終わったの」


「どういう......事だよ」


しえるはほんの少し笑い、ぼくにこう問いかけた。


「幸せ?」


「幸せだよ。今は初音がいる。それにお腹に赤ちゃんいるんだ」


「そっか」


しえるの声が小さく、もう消えそうなくらいだった。


「僕と初音を引き合わせてくれたのはしえるなんだろ?何か不思議な力を使ってさ」


しえるの目から一筋の涙が、こぼれ落ちた。


「海君と過ごした日々は忘れないよ」


「何............言ってるんだよ」


しえるはうつむき口を閉じた。


「私の役目はもう終わり。あとはもう消えるだけ」
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