俺様王子は子猫がお好き

好き、が怖いよ


ゴンドラから出てくると、空は雲に覆われて真っ暗だった。


「……あー…やっぱ降るかもな」


玄野くんが呟いたその瞬間


ぽつっ…


わっ、雨だ…っ!



そう思ったときにはさっきよりも強く雨が降ってきた。



「結菜、こっち」



玄野くんがあたしの手を引き、運良く見つけた屋根の下に2人で駆け込む。



その時にはもう雨はどしゃ降りだった。



「わぁー…ひどいね」


「まあ通り雨だろ。すぐやむって」


でもあたし、なんだか悪い予感がするよ…。


そしてそれは見事に的中。



ピカッ



いきなり光ってビクリと肩が揺れた。


「結菜?どうかした?」



あたしの様子に気づいたらしい玄野くんがこちらを見てくる。



「あ、あはは…はは。な、なななんでも…ないっ」


噛みまくりっ…!

でもしょうがない。



絶叫系もお化けも平気。ちなみに虫だってへっちゃら。



そんなあたしの唯一の弱点は……


───ゴロゴロゴロッッ


「ぎゃあああああ~~~!!!」

そう、雷です…!
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