100通目のラブレター

案の定、

「ありがとう」


って言って、海斗がその子からの手紙を受け取ったから、私の観察記録に間違いがなかったことが証明された。



しかし、
海斗に長年想いを寄せている私からすれば、目の前で繰り広げられている光景は、決して微笑ましいものではなくて……

だから、皮肉まじりに女の子が去った後で、



「ヒューッ、すみに置けませんな〜モテ男♪」


なんてからかうと、海斗は勢い良くこちらを向き、

「バカっからかうなよ…」
と、顔を真っ赤にして言うから、私は笑ってた。


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