100通目のラブレター
「ダメ…かな?」
しばらくの沈黙を挟んで海斗は、
「いーよ」
と言った。
「へっ?」
あっ!!
しまった!私としたことが…予想外の返事すぎて変な声が出てしまった〜っ
「へって…(笑)
葵がデートしたいなら全然いいよ、俺は」
「うん…」
「んじゃ、詳しいことはまた後でな」
「…うん」
「んじゃ」
嬉しい……はずだったし、嬉しくないはずがない。
なのに、どうしてかな?
海斗のあのノリでの返事は、私を一人の女として見た上での返事ではない気がしてならなくて、素直に喜べないでいる私もいた。
でも、
「一応デートは受けてくれたんだし…」
そう自分に言い聞かせて、私も教室に入った。