100通目のラブレター

「繰り返して。5月24日」

「5月…24日」

「午前9時試合」

「午前9時…試合?」

「夜から誕生日」

「夜から誕生日…って、ちょっと待って!試合って何の?」

「野球」

「野球?」


「24日に練習試合入って、俺、それに出させてもらえることになったんだ」


「え!?凄いじゃん!中学に入って初めての試合だよね?え〜、凄い!」


「日曜日だから、バスケ部は休みだろ?」

「あ、たぶん」


「応援に来いよ」

「うん!必ず行くね!」


「…あのさ、まだ続きあるし、もう1回復唱して?」

「わかった」


「じゃあ、5月24日、午前9時から試合」


「えと、5月24日9時から試合」

「夜から誕生日」

「夜から誕生日」


「…」

「ん?」


「…31日、デート」


「え…」


「はい、復唱は?」


「あ、31日…デート…」

「ってことだから」


「え!?ちょ、は?」


「31日は、体育祭の振り返り休日で学校休みだし、部活も休みになるはずだからさ…デート」


「いいの?」


「当たり前だろ。逆に断る理由ねーし…」



海斗は顔を真っ赤にして、そう言った。



「…勘違いするじゃん…」
そんな顔がとてもかわいくて、そうつぶやいてた。



「えっ?」

「ううん。ありがとう」


海斗は、ずるい。

優しくて、かっこよくて…。そういう要素を駆使して、私をどんどん好きにさせる。


「んじゃ、また明日な」

ポンッ…


「っ!!」



ほら、また…。
< 51 / 65 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop