今宵、月が愛でる物語
残業を終え、足早に向かうのは大好きな彼の元だ。

『今から行きます。』そうラインを送ってオフィスを出る。

私が所属する総務部のある2階から彼のいる企画開発部のある5階へ。いつものように非常階段を駆け上がる。

ガラス張りの非常階段から見える月が今夜は近くて眩しい。

いつもより存在感を増すその姿は、はやる気持ちを更に急かすようだった。



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