幼なじみ
凪沙の腕をほどく


首をかしげて不安そうな凪沙が

こんなにも愛しい



だからこそ


全身が軋むほど哀しい


「帰って。」



真っ直ぐ凪沙を見つめる


無限で立ち去るその背中に何度も手を伸ばしかけた



遠くなる足音が
寂しさを掻き立てた



それでも
私は凪沙を見送る



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