ハナミツ
辺りを見回すが人の気配はない……。
夕陽が入口から入り込んで店内が茜色に染まる。
……。
本当に誰もいないのか?
不安に、なった。
迷子になったみたいな気がした。
帰り道は分かるのに、携帯だってあるのに。
カタン と音がした。
奥のレジからだった。
俺は恐る恐るレジに近づく。
レジ奥には何やら部屋があるみたいだ。
奥はやや暗い。
「……あの、」
レジ側に周り奥をこそっと覗き込む。