ハナミツ












「げ、………蓮花。」



ポンポンと肩を揺さぶられ目を開けた。



ぼんやりと人影が映る。





あ、綾瀬さん。



「………なおあき……さん。あ、私寝ちゃった。」









直昭さんが戻ってくるのを待っていたら、
うとうとしていた。



「ごめん。考え事をしてたから、遅くなりました。」


「いえ。………ん、」



やっと目の焦点が合ってきた。
直昭さんが見えた。




「直昭さん、どうかしましたか?」





「え、…なんで?」





「何となくぼんやりとしてる気がして。」






さっきみたいに、目に力がないというか
目の中の光が霞んでる気がする。





彼は目を伏せて苦笑した。




「……なんで、分かるかな。」






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