ハナミツ






会場ロビー入口付近の少し広いスペースがあり
花の飾り付けはそこで行われていた。


会場ロビーは床が絨毯な上、濡らす危険もあるため
設営をある程度してから運び入れる作業にうつる。


スタンド花は比較的小さいサイズを選んだけど、
重さはあるため近くで手が空いてる同業者に手伝ってもらうのが毎回お決まりだ。


「しかし、やたら風船やらいれますよね、最近のスタンド花は、あたしあれあんまし好きじゃないんです。」



眠気を抑えたのか萌香ちゃんは、花を飾る作業に入った。


「萌香ちゃん意外。好きそうなイメージあるよ。」


「やり過ぎ感はなんか無駄におしゃれっていうか、……綺麗な花は綺麗なんです。こないだ薔薇農家の佐々さんも言ってました。」


「ふふ…そうなんだ。」


萌香ちゃんは、仕入れの時に店長とよく
薔薇農家の佐々さん家まで行くことがある。

佐々さんも萌香ちゃんくらいの娘さんがいるから
多分いろいろ教えてくれるのだろう。


「花は綺麗だけど、もっと綺麗にするのが私たちの仕事だから。頑張らなきゃね。萌香ちゃん」

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