私と彼女と彼等


......これはあまり答えたくないな。答えないで良いかな。

「なんで?」


なおも聞いてくる雅。

腕に力が入ってて動くことが出来ない。


......答えないって選択肢はないわけね..。


「美咲と比べられたくなかったから。」




「「......。」」

珍しく無言の啓と普段から無口の一哉。

「「「......」」」

驚き顔の三人。

「ほら、んなことはどーでも良いでしょ。早く行こうよー。」

だんまりとした雰囲気から抜け出したくて皆を急かす。

「はなして、雅。歩けない。」

まだ私の腕を握っている雅。

「......比べねぇから」

「は?」

声が小さくて何をいってんだか分からない。

「......もう、比べねぇから結んでこいよ。」

「は?」

......比べないっていったよね?

「......ごめん。」

目の前にはチワワのような瞳の雅......だよね?

......なんてこったい!!あの雅が謝った!?

あの鬼畜で腹黒な雅が!?チワワのような瞳で?

え、きもちわるっ!!

「なーに謝ってんのさ!!気持ち悪いよ!!」

「なっ、人が真剣に......!」

「でも分かったよ、結んでく。」

めんどくさいけど落ち込ませない為には結ぶしかないよね。   


「そんなことより学校行こうよー。」

ってあれ?

なんで皆ポカーンとしてるの?

「フッ、お前は面白いねー?稚咲。」

なぜだかフッと笑って頭をぽんぽんしてきたヒカル。

面白い?

意味わからん。

変な奴だなー、ヒカルは。

「ほら、お前らも。いつまでもアホ面してねーで行くぞー。」

....サラッと酷いこと言ったぞ、こいつ。

......あぁ、そうだ。こいつはドSだった。

ヒカルの声にハッとしたらしい四人とヒカルと歩く。






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