君がくれた約束[続編]

「えっ?」


「だから、なんで秀司がここにいるのよ?!」



少しキレかかった私はさっきとは違って声が大きくなった。


キレるなんて間違ってる。


でも……。



「おじさんに呼ばれたんだ。なんか俺、場違いみたいだし帰るわ。ごめんな」



やっぱりお父さんが呼んだんだ……。


そう思ったとき、父親が家から出てきて言った。



「木村くん、遠慮しないで入ってくれ」


「でも……」


「倫子たちもそんなところで突っ立ってないで、早く入りなさい」



父親はそう言って秀司を家にあげた。



「倫子さん、どうなってるの?」



もう逃げられない……。


私は覚悟を決めて、シュウに言った。



「お父さんがなにを言っても、私はシュウのこと、裏切ったりはしてないから。信じてもらえなくても……本当だから」


「よく分からないけど信じるよ。倫子さんのこと」



私は少しだけホッとして、シュウに言った。



「行こう」


「うん」



シュウと一緒に家の中に入る。



「お邪魔します」


「いらっしゃい」



そう言って出迎えたのは母親だけで、家の奥からは父親と秀司の楽しそうな話し声が聞こえてくる。


やっぱり、始めから認める気はないんだ。


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