君がくれた約束[続編]

ヒデキがスラスラと発する言葉を聞いても、なんだか信じられない……。


テレビでは一切報道されてない私のことを、なんで知ってたんだろう?


私の携帯番号も……。


そんなことを知ってるんだもん。シュウが何処に住んでるかなんて、もっと前に知っててもおかしくないよね?


そしたらもっと早く会いに行くんじゃないかな……?


私は黙ったまま、二人のやり取りを聞く。



「うん、来た理由は分かった」


「兄さんは俺と会っても嬉しくないの?」


「弟がいたとか今の今まで知らなかったから。嬉しいって言うより、ビックリした」



「そうだよね。それよりその人は兄さんの彼女?紹介してよ」



えっ?

私のこと知ってるよね?

電話だって掛けてきたじゃない!


意味が解らない……。



「彼女の倫子さん」


「へぇー、倫子さんかぁ。ヒデキです。宜しく」


「う、うん。……宜しく」



ヒデキは初めて会ったあの日の男とは、全くの別人じゃないかと思わせるくらいの態度だ。


そしてヒデキはシュウに申し訳なさそうな顔をして言った。



「あのさ、再会してすぐに悪いんだけど、暫くここに泊めてくれないかな?俺、行くところがないんだ……」


< 200 / 305 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop