君がくれた約束[続編]

―三日後


仕事が終わると片瀬くんが私のところに来て言った。



「あのっ……」


「……?」


「今度の日曜日に裕介くんと三人で遊園地に行きませんか?」



片瀬くんは少しうつむいて、蚊が鳴いてるような声で言った。



「……この前話したけど、裕介の父親……」



そう言いかけたとき、片瀬くんは大きな声で言った。



「それでもいいんです!この前神田さんにそう言われて、遠回しに振られたのかなって思って……。でも、もし本当の気持ちなら僕にもチャンスが……ないかなぁ……」



片瀬くんは又泣きそうな声になる。



片瀬くんはすごく純粋そうで不器用で……。


中学生の頃のような懐かしい気持ちになった。


少しだけ……。

片瀬くんがどんな人なのか、知るのもいい。


もしかすると裕介の父親としてだけではなく、いい夫婦になれるのかもしれない。


そんなことが頭をよぎる。



「じゃあ、日曜日に」



私がそう言うと、片瀬くんは嬉しそうに顔を上げて言った。



「本当ですか?!」


「うん」


「じゃ、じゃあ日曜日!!お疲れ様です!」



片瀬くんは嬉しそうに手を振って帰っていった。


これでいいんだよね……?

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