後編 かすみ草の恋 ー大学生編ー
橘美佳
背中を怪我して5日後の朝
今私は安藤総合病院にいます。


「よしっ!ミカちゃんだいぶ
腫れが引いてきて
赤みも取れてきたよ(笑)
でも、あまり無理するとこの赤みが
黒くなってきた時に血を抜かないと
いけなくなる事もあるからね?
無理はいけないよ?
今日から動きやすいように
固定の仕方を変えるからね?
礼二君よく見ておいてね…」


と、櫻井先生はいつも通りの爽やかな
笑顔で言うと


レイジはそれをじーっと見ていて
櫻井先生は時折レイジにアドバイスを
しながらゆっくり巻いてくれました。


巻き終わると


「ミカちゃんどう??動かせる?」


私は無言で肩を回して見ると
少しまだ痛むけど
さすが、お医者さん!
痛みが分散されて
包帯で少し圧がかかってるので
回しやすい!!



嬉しくって笑顔で先生に頷くと


「ミカ…そんな顔で先生を見るな!」


と言ってレイジが
私の顔を両手で隠した


ふふふ(笑)


だって、嬉しいんだもん!!


これで練習出来る!!


明夫くんに剣道習える!!


「ミカちゃん、動かせるからって
初日からバリバリやるのはやめてよ?
出来るだけ痣にならないように
今までやってきたのに、ここで
無理すると血溜まるからね?いい?
もし、痕になったら俺がミカちゃんを
貰っちゃうからね?(笑)
それと、通院は1日1回でいいけど
毎日来て状態を見せること。
夜は入浴した後しっかり冷やして
熱を取ってから寝ること。
朝湿布に張り替えて礼二君に包帯で
固定してもらうこと。いい??
約束だよ??(笑)」


「はい、先生!
ありがとうございます(笑)」


「じゃぁ、俺は担当患者の様子を
見に行くから。今日はもう夕方は
来なくていいよ?
明日の夕方おいで(笑)
ミカちゃんに会えるの楽しみにしてる
からね(笑)
それじゃ、礼二君よろしく頼むよ?」


と言って櫻井先生はニッコリ
微笑むと私の頭を優しく撫でると
診察室を後にした



「はぁ、つくづく脅威だ…あの先生は」


と項垂れながら礼二が言うから


「なにが??どうしたの?」


と首を傾げると


私の頭をわしゃわしゃ撫で回しながら


「別に〜
てか、ミカブレるなよなっ!
まっ、でもミカ良かったな??(笑)」


と、ちょっと訳のわからない事を
言いながら二カッと笑った。


その顔が反則すぎるほど


カッコ良くて


朝からレイジにドキドキ
させられっぱなしの
私でした(笑)
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