音のない恋
ろう者

「「失礼します」」


やっぱり俺の顔は赤いらしく
念のためということで保健室に来た俺たち


でも俺は保健室の扉を開けたとたん
息をすることも忘れてしまった。



「あらどうしたの?
先約いるからそこに座っててちょうだい」


先約といって保健室の先生の前にいるのは
さっきの彼女。


よみがえる記憶。


‥!!!!!


「さっきぶつかったとき怪我してたの!?」





うつむいてうなずく彼女。


白くふんわりした
柔らかそうな彼女の頬には
すり傷があった。



「顔怪我してるじゃん!
怪我したなら言ってくれよ‥」



うつむいたままの彼女。


きつく言ってしまったか?



「ごめんな‥顔に傷つけちゃって」

 

怪我した頬にそっと触れる。


あ‥顔があか‥バッ!!


パタパタ‥‥ピシャッ!!!


ドアしめていっちゃった。
すごい勢いだったな。

< 3 / 27 >

この作品をシェア

pagetop