この恋を叶えてはいけない
 
「あたし……普通の幸せなんかいらない」


未来も家族も
ごく当たり前の将来も……。



「唯香……」



欲しいのはあなただけ。


駿の頬をそっと撫で、揺れる瞳を見つめた。


絡み合う視線。

駿は頬に重ねられるあたしの手を取ると、そっと口づけ…



「俺も……お前だけがいればいい…」



その唇を、あたしの唇へと重ねた。



あたしたちは

出逢ったあの日から
狂っていたんだ。

 
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