この恋を叶えてはいけない
 
振り返った人、彼はすぐに前を向き直し、お焼香の前に立つ。


だけどあたしの瞼は、張り付いてしまったかのように瞬きすら許されない。



う、そ……。
そんなはず……。



ドクンドクン、と怖いくらいに心臓が波打っていて
そんなわけない、と頭で必死に言い聞かせている。



お父さんの喪主として、一番初めに立ち上がったのは……




もう会うことはないと思っていた






シュンだった。




 
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