この恋を叶えてはいけない
頭の中がパニックになってからの葬儀は、あっという間に終わった。
多分、シュンは下にうつむいていたから、あたしがお焼香をしてもあたしの存在には気づいていなかったと思う。
だけどあたしも、それ以上、シュンの姿は見れなかったから、実際のところは分からない。
葬儀が終わり、軽い軽食が出されているところにあたしとお母さんは座っていた。
軽く雑談をしたら、帰っていく人たちがほとんど。
そんな人たちを見送り、あたしたちは人が少なくなるのを待っていた。
そして残り数人となったところでお母さんは立ち上がると、
「行くわよ」
あたしを促すように、外へ出た。