*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
わけがわかんないまま、視線をそちらにやって、思わず吹き出しそうになった。


シィ君が渡り廊下の窓から、わざと変な顔を作ってこちらを見ていた。

周りには、シィ君と同じクラスだと思われる男の子が数名いる。

だけど、変な顔に気づいているのはわたしだけみたい。



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To シィ君

何やってんの?
変顔、超ウケた。
(〃^∇^)o彡☆

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送信……っと。


するとシィ君はすぐに携帯を確認する。

そして楽しそうにニコニコ笑いながらメールを打ってる。

やがてまたわたしの携帯が震えた。



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From シィ君

数学、自習になってん

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To シィ君

わたしも同じ!
今自習中…。
(´・ω・)ノ

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きゃぁ。

なんか楽しい―――!

すぐそこに姿が見えてて、大声を出せばもしかしたら、聞こえるかもしれないような距離なのに……。

なんだか、校舎の中でわたし達だけ秘密の会話をしてるみたい。

そう思ってひとりでニヤニヤしながら喜んでいると、また携帯が震える。



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