*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
アカネちゃんは「うん」と頷く。


「実はそうやねん。親からはめっちゃ反対されたけどな」


やっぱりそうだったんだ……。

好きな人と一緒の高校を選んだんだ……。



その瞬間、今まで点になっていたものが全て線で繋がったような気がした。



前にケンちゃんが言ってた。

シィ君にはこの高校にどうしても入りたい理由があったって。


そっか。

そうだったんだね……。

それはきっと

“彼女”がいたから。



今日正門前でシィ君が見つめていたもの。

それは違う学校の男の子と仲良さそうにしている“彼女”の姿だった。



最近、シィ君が元気が無いのもきっと“彼女”のせい……。


今思えば、シィ君は時々苦しそうな表情で“彼女”を見つめていた。



――好きなんだ……。






ユカリちゃんのことが……。
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