*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
《あのねっ、これからも友達でいてくれる? 今まで通り》


「うん」


相変わらず明るく話す彼女の声が耳に響く。


いや……待てよ。

受話器を通して電話の向こうでかすかに聞こえる声。

それは、さっきからオレの耳にも直接届いていた、市議会議員の演説の声だった。


――近くにいる!!


オレは顔を上げて周囲を見渡した。

いない……。

どこだ?

どこにいる?

ちぃちゃん……?




その時突然、背後で聞こえたクラクションの音に振り返った。

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