*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
そう呟いて、わたしをじっと見つめる。


彼独特の切ない眼差し。

男の人なのに色気があるってこういう人のことを言うんだと思う。


サトシ君は女の子をドキドキさせる色んな表情を持ってる。


「警戒なんて……」


言いかけて言葉につまる。

サトシ君の顔がまともに見れない。

『警戒』というその言葉に余計に意識しちゃう。



どうしよ……。

……助けて。


「……な……んで」


「ん?」


「なんでわたしにかまうの?」


気が付くと勝手に言葉が出てた。


声が震える。



なんでこんなこと聞いているの?


でも知りたい。

サトシ君の本心が読めなくて……

ほんとはずっと怖かった。
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