*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
「ええっ?」


急に話しをふられて、一瞬固まってしまう。

マリちゃんの話を皮切りに、さっきから順番に恋愛報告をし合っていた。

女の子ってこういう話、好きなんだよね。


エミコは同じバレー部の男の子に告白されて、今はまだ迷っている最中らしい。

アカネちゃんは、特に好きな人はいない。



わたしは……。

わたしは……。



――ポキンッ


口にくわえたポッキーが折れた瞬間、コロちゃんの顔が浮かんだ。


でも、すぐに打ち消した。


「……わたしも、いないよ。好きな人なんて」


「えー。そうなん? 今、一瞬“間“があったけどー?」


エミコが顔を覗き込んでからかってくる。


「ほんまに、おらへんってば!」
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