*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
ふっ……。

なんだか、笑いがこみ上げてくる。

自分のバカさ加減に呆れた。

結局オレは自分のことしか考えていない。

サトシのこと言えないよな。

焦って、自分の感情を無理に押し付けて……

やっぱりキミは、するりと逃げて行ってしまったな……。




オレはまだぼんやりした頭のまま、立ち上がり、イスを片付け始めた。


ふいに視線を感じて顔を上げる。


「うわあああ! ヤマジ?」


すぐそばにヤマジが立っていた。


ある意味、やっと目が覚めた気がした。

いったい、いつからそこにいたんだろう?

まさか、見てないよな?

キスしていたとこなんか……。


「いつからおったん?」


動揺を悟られないように、イスを片付ける手を休めず、ヤマジに質問した。


「今来たとこ。ちぃちゃんが泣きながら教室出てきたから。何かあったのかなって思って」


――ガチャンッ


思わず持っていたイスを倒してしまった。

動揺しまくりやん、オレ……。
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