*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
「ボモボバベバン?」


コロちゃんは、口いっぱいにパンを頬張りながら、誰かに訴えかけた。


「え? なんて?」


みんなが一斉に突っ込みをいれる。

彼は口の中のものをゴクリと飲み込むと、牛乳を一口すすって、もう一度口を開いた。


「この子誰なん?」


あ。わたしの事か。


「同じクラスの松本千春ちゃん。ちぃちゃんやで」


ユカリちゃんに紹介され、ペコリと頭を下げた。


「可愛いやろ?」


ユカリちゃんのそのセリフにものすごく焦った。

ユ……ユカリちゃん!

そういう事、言わないでよ!

禁止だよ!禁止!


だってほらっ。

コロちゃんもどう答えていいか困ってるじゃない。

眉間に皺を寄せて、じぃ……っとこちらを見ている。


わたしはどうしていいかわからず、顔がひきつる。


うう……。


コロちゃんは急に表情を柔らかくすると、フッと笑った。


「うん。可愛いな」

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