俺様副社長に捕まりました。
一体水沢さんが何を企んでいるのか全くわからない。
渋々中に入るとブラックのタイトなスーツの女性が限界ギリギリまで口角を上げながら
私たちを出迎えた。
「水沢様いらっしゃいませ。お待ちしておりました。・・・・この方を・・ですね?」
「ああ・・・急に頼んですまない。電話でも話したように彼女を頼むよ」
「かしこまりました。とてもお綺麗な方なので私も頑張らせていただきます」
んんん?
頑張らさていただくって・・・何を頑張るんですか?
「ねえ・・・水沢さん・・・なんなの?」
私が水沢さんに尋ねると
「1時間後に迎えに来るから・・・・」
と言ってにやりと笑った。またしても私の質問にはスールー
それに1時間後ってどういうこと?私はまだ状況が分かっておらず女性スタッフと水沢さんを
交互に見た。
「では・・・お客様こちらへどうぞ」
「はい?」
「水沢様より全身コーディネートしてほしいとのご連絡がございましたので
今からドレスとアクセサリーを選ばせていただきそのあとにヘアメイクをさせていただきます。
1時間ということですのであまりゆっくりできませんのでさっそくドレスを選ばせていただきますね。
何かご希望のお色目とか形はございますか?」

女性スタッフは驚いている私を無視するかのようにあれこれと話し始めたが
私にはもう何がなんだかちんぷんかんぷんだった。
大体、ドレスを着なきゃいけないということも今知ったわけで、
しかも何のためにそのドレスを着なきゃいけないかも
わからない。

絶対何かある・・・まさかまた前のようにパーティーとか?
もう、嫌な予感しか浮かばなく
私は女性スタッフにされるがままにあれこれとドレスを何着もあてドレスが決まると
今度は同じ並びにあるサロンでヘアメイクを施されそれがおわると再びドレス・・・パンプス
アクセサリーと自分じゃない自分が作られた。

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