俺様副社長に捕まりました。
やろうとしていることのスケールの大きさに驚くばかりだった。
そして視線は桐山専務の背中・・・
「彼女・・・小野寺君は元々私の秘書でした。他の誰よりも空気が読めて気配りができて
私は密かに自分の息子の嫁になってくれたらと思っておりました」
「だったら桐山の息子の嫁にしたらいいじゃないか・・・」

・・・・・えええ?そうだったの?っていうかそんなに過大評価していただけてたのか~
とちょっぴり嬉しかったりもしたのだが・・・・
会長の返しになんだか1回戦敗退って感じが否めなかった。
だけど桐山専務の話は終わらなかった。
「失礼を承知で言わせていただきますが、それはあくまで親の願望じゃないですか?
息子の嫁は息子が決めるものであって親や親族が決めるものではないと私は思っています。
親がいいと思った相手を子供に押し付けるのは親のエゴです。
それは子供の幸せを願っているというよりも自分の幸せのためのように気がするんです。
会長がなぜ小野寺君を拒むのか・・・・それは会長にとってメリットがないってだけなんじゃないですか?
会社のために好きでもない女性と結婚するなんて・・・もうそういう時代じゃないと思います。
下手に何も出来ない大口の取引先のご令嬢を選ぶよりも水沢くんの事を仕事の事をよく知っている・・・
理解できる相手の方が私は会社のためにも・・・・彼自身にもいいかと思いますが・・・」

桐山専務は話終えると一歩後ろに下がった。
「私は尊の事、会社の事を思って言っているだけだ・・・・この先尊がこの会社を
引っ張っていかにゃならん。私はその時に尊が困らないようにと・・・・自分のメリットだけを
考えていたわけじゃない」
桐山専務に強く反論した。
するとバトンタッチするように今度は安藤専務が前に出た
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