俺様副社長に捕まりました。
信じられなかった。
あの冷血な男がドラマのセリフみたいな事をいうなんて・・・
私にはいつも命令口調なのに・・・・
未来は何も知らないので私はムカつく気持ちをグッとこらえた。
未来は話を続けた。
「でもね~いつも忙し人だから、私みたいな妊婦が副社長の秘書じゃ仕事が回んないんじゃないかって
思うのよ・・・だって今はいいけどそのうちお腹が大きくなれば今みたいにキビキビ動けないし
・・・だから昨日ね、副社長に
早いうちに担当を変えて欲しいってお願いしたんだけど・・・・」
未来の口調からするといい返事はもらえなかったんだろう。
「却下されたんだ」
私が代わり言うと未来は何度も頷いた。
「副社長って他の役員と違ってさ~人に頼ろうとしないんだよね。なんでも自分でやろうとするし
すごく気がつく人。だけど自分の事は後回し。・・・・だから心配なのよ。
もっと有能な秘書が副社長をちゃんと管理しないとあのままじゃ~いつか倒れちゃう」
未来は未来なりに副社長の事を心配しているのだろう。
たしかに副社長は隙がなく気がつきすぎる。
そう思う反面
未来にはすごく気を使っているようだけど私には?
優しさを感じることはほとんどない。
人によって態度を変えているの?
なんだか益々水沢尊という男性がわからなくなった。



未来と会った1週間後の夜、水沢さんからメールがきた。
この時間に来るメールは大概夕食がいるって事だけど・・・

『明日の夕食は2人分の用意をして待ってて欲しい。料理の内容はお任せします』

2名?・・・それってお客様?それとも・・・・とうとう恋人ができたとか?
それにお客様がいる間私は帰っちゃだめってこと?
あ~~気分が重い・・・
だけど家政婦にはそれを断る事はできない。
『了解しました』とだけ返信するとベッドに寝転がった。

・・・・私はいつまで彼の家政婦でいるのだろう。
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